インデックス型投信に比べて高い信託報酬に、分配金という資本の一部払い戻し...
でも、よく考えてみてください...
サラリーマンの場合、会社からもらう毎月の給料って、同じなのではないでしょうか?
そもそも、企業が事業から得た利益(=営業利益)ってのは、次の4つへと分配されてゆきます...
@給料・ボーナス(人件費)
A株主への配当金
B有利子負債の利子支払い
C内部留保
だから、サラリーマンがもらう給与(@)って、会社が叩きだした利益のほんの一部なのだ。
そもそも毎月分配型投信のほうが、かなりマシなのである。
なぜなら、毎月分配型投信の信託報酬は、上記のABCを合わせたよりもずっと小さいから...
そして、毎月分配型投信の普通分配金から税金が引かれるよりも、サラリーマンはもっと引かれる...
所得税と住民税だけでなく、社会保険料(各種)がさっぴかれるからだ。
その引かれ方は、毎月分配型投信よりもヒドイと言えるだろう...
「厚生年金や健康保険は会社と労働者が折半」などと言っても、何か空しく耳に響くだけだ...
そんなの、”焼け石に水”ではないだろうか...
ここまで言えば、おわかりになっていただけるだろう...
そうなのである...
毎月分配型投信を非合理的だといって否定する人は、その考え方を貫くならば、サラリーマンを辞めることになる。
なぜなら、サラリーマンの給与って、毎月分配型投信よりも非効率的だから...
会社のために稼いだ利益のうちの、ほんのわずかしか手にできないわけだから...
非効率な労働なのである...
サラリーマンは...
だから、非効率なことがイヤな人は、サラリーマンを辞めて自営業を始めるか...
あるいは、自己資金と借金とで不動産を購入し、不動産所得で生活をするか...
要するに、みずから事業を行うべきなのである。
「サラリーマンだと何かと安心」というセリフは、
「毎月キャッシュを手にすると何か安心」ということと似たようなものなのだ...
今や、サラリーマンだって、安泰とは言えない時代...
契約社員や派遣社員は、雇い止めや派遣切り...
正社員だって、いつリストラになるかわかりゃしない...
それが無くとも、突然の転勤、危険を伴う職務に就かされる、長時間残業、つい魔がさして法令違反に加担してしまって責任を問われる、などなど...
サラリーマンだって、今は、”リスク性資産”なのである...
体(からだ)と時間を資本にして(=元手にして)、危険で非効率な投資をしているようなものなのである...
しかし、現実には、みんなサラリーマンを容易にはやめようとはしない。
サラリーマンを辞めて起業するのは、リスクが高すぎるからだ。
たとえ、成功したらサラリーマン時代よりも高収入になるとわかっていても...
要するに、サラリーマンを続けることは、”セカンド・ベスト”なのである...
現実と折り合いをつけた、大人の妥協なのである...
同じように、毎月分配型投信も、”セカンド・ベスト”の一種という側面もあるだろうと思う...
たとえ毎月分配金が出ることによって非効率になったとしても、”セカンド・ベスト”であり、現実的な妥協なのではないだろうか...
そして、この”セカンド・ベスト”は、遠い先のことではなく、今の現実と日々つきあいつつ生きていく道であって、資産家ではない普通の家庭に生まれた普通の人間が、現実感覚を持ちながら”人”として生きていく道に沿っているように思える。
了