2015年05月25日

預金封鎖の前に来たるもの(前篇)

膨大な金額に積みあがった日本政府の借金、日本国債...

アベノミクスでの狙いは、インフレと経済成長により、これを実質的に目減りさせていこうということですが、その目論見がうまくいっていないのは、皆さん、御存じの通りです...

そんな状況の中、ネット情報や、雑誌・投資本の記事の中の過激なもののうちには、「預金封鎖」という文字が躍ることも見かけます。

有名な市井の論客では、副島隆彦氏などが挙げられます。

また、つい最近では、雑誌『Zai』の最新号にも掲載されておりました。
ダイヤモンド・ZAi(ザイ)2015年7月号 -
ダイヤモンド・ZAi(ザイ)2015年7月号 -


実際、第二次大戦後、日本で起こっています。

個人の預貯金を一部しか引き出せないようにしたうえで、ハイパー・インフレーションを起こし、さらにそのうえ、”財産税”という名目で一部を没収してしまうというシナリオだったそうです。

果たして、このまま日本国債がどうにもならないほど積みあがったあかつきには、同じ現象が起こってしまうのでしょうか?

・・・

私の考えでは、”否!”です。

終戦直後の日本社会の状況と今は全然違っています。

当時は、日本国憲法の施行前でした。
しかも、GHQによって日本は占領され、独立国ですらなく、特殊な状況の下にあったわけです。

だから、可能だったと言えます。

今は、日本国憲法29条で、個人の財産権の不可侵はうたわれています。

それに、現在は、世界経済が金融決裁的にコンピュータとネットワークでつながっているため、そのようなことをすると、世界経済に大混乱を引き起こす引き金にもなりかねません。

なんといっても、今の日本は、世界第3位の経済大国なのです。
その第3位の国の経済が混乱をきたすようだと、世界信用破たんの引き金になりかねません...

だから、その実行前にG7やG20で日本政府より報告と実施の許可が求められる形になるのでは?
しかし、その試みは止められて、事態は回避されるでしょう。

また、人権と民主主義が尊重される今の国際社会の政治環境下では、
個人財産を国家権力で取り上げるようなことを強権的に行うと、
国際的な批判・非難が大規模に巻き起こり、日本国は国際社会からつまはじきにされてしまうとも思います。

天安門事件や、イラクのフセイン政権、北朝鮮政権に対する非難を見れば明らかです。

以上のことから、預金封鎖や財産税は実現しないと考えます。

それに、一足飛びにそのような事態に至る前に、まだ他に打つ手があるはずだからです。

その打ち手を予想してみました。

それは、”投資の含み益”に対する課税だと思います。

株や投資信託,FXなどの個人投資家の投資用資産上の含み益に課税するのです。

例えば、具体的に言えば、次のようなシナリオが考えられるでしょうか。


XX年X月X日、XX新聞記事
XX内閣官房長官は、マイナンバー制によってすでに補足済みの各個人の銀行ならびに証券会社の投資用の口座をいったん凍結し、含み益がある場合、それを強制的に決済のうえで、利益の90%に課税すると発表した。
政府与党の税調での議論をふまえての決定とのことである。
政府は、これによって得た臨時税収を国債償還基金の一部に充てる予定...


XX年X月X日、国会討論
共産党議員「今回の臨時課税について政府のお考えをうかがいたい...」
与党議員「今回の課税は、国民のごく一部に対する臨時の課税であり、日本国民一般の生活には何ら影響を及ぼさないものと考えています。日本の国家財政はひっぱくしており、財政危機を回避することが国益にかなう道だとも確信しております。そのために、生活には直接関係ない余裕資金を保有する人の、しかも含み益だけに課税し、日本の未来のために、”痛み”を負担していただきたいと考える次第であります...」
共産党議員「90%とは、ずいぶん高率ではないか?」
与党議員「90%とはいっても、あくまでも含み益の90%であって、かつての預金封鎖と財産税のように、預金そのものを奪うものではない。投資元本は手つかずで保証されているわけです。」
共産党議員「貯蓄から投資へなどと国民にすすめておきながら、投資の成果を没収するというのは、一種の公約違反ではないのか?」
与党議員「含み益の10%は投資家個人に残すわけであって、全額を没収するというわけではありません。ですので、10%ぶんは投資の成果として、各個人投資家は手にするわけであります。」
・・・


まったくの私の空想ですが、起こらないとも限らないシナリオです。

他に取れるところは無いからです...

仕事をリタイヤし、年金等で生活する高齢者に増税するわけにもいかず、
いまや少子高齢化で少なくなった貴重な若者サラリーマンに増税してイジメるわけにもいかず、
法人税の増税は、国際的に見て、日本から企業が逃げ出し、産業空洞化につながる恐れがある...

いずれも出来ない...

また、消費税増税ぶんは、高齢者福祉や医療のために使途が決まっており、国債償還には回せない。

取れるところは、個人投資家の口座にある投資用資産の含み益くらいなわけです...


長くなったので、続きは明日に...







posted by スイス鉄道のように at 07:00| 東京 ☀| Comment(0) | 分析・考察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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