2015年09月25日

資本主義の原点を考察する(前編)

今日は9月の株主権利確定日。

というわけで、資本主義という社会制度の原点について迫ってみたいと思います。

現在の日本は、個人の自由意思に基づく自由取引が行われる市場の存在を前提とする資本主義社会だからです。

昔はいろいろと規制があったり、海外への投資手段が貧弱だったり、非関税障壁で海外の安い価格が日本国内の商品価格に反映されにくかったりしましたが、20世紀末から今までの間に、日本社会はずいぶんとグローバル化してきたように思います。

ですので、自分で事業を行う場合はもちろん、現役の労働者として生きていく場合でも、またリタイアして資本家として生きていく場合でも、この「自由市場・資本主義社会」という制度をくまなく理解しないでは、危ういと言えます。

孫子の兵法でも、「敵を知り、おのれを知れば、百戦危うからず」と言いますから...


まず、”資本主義(近代資本主義)”という制度は、ヨーロッパ人が考え出したものです。

日本はこの制度を明治維新直後に取り入れました。
このことは、中学校や高校の歴史の教科書にのっている自明な事実です。

主なものは次の通りです。
1.会計制度 … 簿記という仕組みを福沢諭吉等が日本社会に輸入する。
2.法制度 … フランス法の五法(民法、商法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法)を参考にする。
3.政治制度 … 行政、立法、司法の三権を骨格とする政治体制をとる。
4.人権という概念 … 不完全ながらも、明治憲法で定められる。
5.銀行制度と欧米流の通貨制度
などなど。

江戸時代の、大福帳会計,封建制,奉行職,諸法度,身分制,小判や一文銭などはすべて廃止されました。

そして、欧米流の自由市場(自由取引),契約社会,法人概念(株式会社等)などが強引に登場しました。

そういったものの中で一番重要なものは、出資と決算,配当(分配)という考え方でしょうか。

出資者(株式会社であれば株主です)がお金を出し → 事業を行い → 得た利益が分配される

この仕組みが明治日本で本格的にスタートしたことが非常に大きいです。

いうまでもなく、この仕組みは、資本主義を成り立たしめている仕組みですから。

しかしこの仕組みの裏には、これを考え出したヨーロッパ人の思想があるわけです。

そして、資本主義社会の制度を考え出したヨーロッパ人の思想は目に見えません...

しかしその目に見えないところを理解することが大切です。

何度か引用した『星の王子さま』にも、こうあります。
「大切なものは目に見えない...」

なぜこの仕組みはこうなっているのか...
そこを考えることが大切なんです...

しかし、日本人の大部分はそんなこと知りもしないし、考えたこともないはずです。

その結果、資本主義の仕組みがうまく機能せず、空回りしているような気がします。

かつて20世紀末にサミット諸国(英米仏独伊カナダ)は、”日本異質論”を唱えたものです。
なぜなら、日本は、欧米人の社会常識とは大きく異なる社会だからです。

原因は、明治日本が、”和魂洋才”と唱えたことにあります。

資本主義を考えたヨーロッパ人の思想抜きに、「形」だけこの制度を取り入れたことで、本来の正しいあり方が毀損してしまったのです。

よって、この思想を紹介することが、今回の記事の目的です...

この思想は、実は、キリスト教精神に基づいています。
なぜなら、ヨーロッパは、キリスト教社会ですから...

しかし近代のヨーロッパは、無神論をとる共産主義や、宗教戦争を繰り返さないための政教分離の原則を徹底させたことによって、世俗化しました。

なので、ヨーロッパの古い考え方は、カトリック教会の中と、宗教的な争いから逃れて新天地へと渡ったアメリカ人たちの中に残っています。

明日は、アメリカ人の考え方を中心に、具体的にその思想の内容に踏み込んで書いていきたいと思います。






posted by スイス鉄道のように at 07:00| 東京 ☀| Comment(0) | 分析・考察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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