2016年04月01日

中路啓太著『謎斬り右近』を読んで...

mushoku2006さんのブログ記事から情報をいただいて、中路啓太さんの『ロンドン狂騒』を読みました。

1930年のロンドン海軍軍縮条約をめぐる政治家・軍人たちの攻防を描いた小説です。

実在の人物を多数登場させながらも、主人公とヒロイン(?)は架空の人物であり、彼らの人生とその歩みや苦悩の描写とともに、歴史が進んでいくさまが興味深く書かれていました。

非常に読みやすくもあり、本の中の世界に引き込まれもしますね...

さてこの本がきっかけで、中路啓太さんの他の著作も読んでみました。

『傾国・もう一つの楊貴妃伝』と『謎斬り右近』です。

両方とも同じく読みやすくまた面白くて、結末までぐいぐい読者を引っ張っていってくれます...

とくに『謎斬り右近』の方は大変良かったです。

豊後日出城主木下延俊の子、青年・右近俊基の冒険物語です。

彼自身は架空の人物なのですが、実在の人物で謎のある「木下延由」をモデルとしているようです。

延由は豊臣秀頼の遺児という伝説があり、大阪の陣で豊臣氏が滅んだ後、秀吉の正妻おねの実家である木下家に密かに匿われたのだとか...

作者の中路啓太氏は、そんな背景をうまく使い、主人公右近俊基の恋,および幕府の裏を巡る陰謀・闘争とをうまくからめながら、わくわくするようなストーリー展開で最後まで読者を飽きさせずに読ませてくれます...

実在の人物も多数登場します。

二・三代将軍秀忠と家光、柳生但馬守宗矩、老中酒井忠世、怪僧天海大僧正、剣豪宮本武蔵、その師新免無二斎、豊臣秀頼の娘である天秀尼、独眼竜伊達政宗...

中路作品では、このように、これら実在の人物が多数登場するからこそ、
我々読者は本の世界の中に容易に入っていけて、かつ親しみやすく読めるのだと思います...

そして時代小説ながら、漢字も少なく、セリフも現代風で簡易なものばかり。
それでいて、歴史を感じさせ、ストーリーも面白い...

この方、いずれ直木賞などの大きな文学賞をもらうんじゃないかと思えます...

久々に非日常の世界にひたるという”読書”の持つ楽しみを堪能・満喫させていただきました...






謎斬り右近 -
謎斬り右近 -




posted by スイス鉄道のように at 07:00| 東京 ☀| Comment(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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