2016年04月10日

『キヨミズ准教授の法学入門』を読んで...

法学の専門家であられる木村草太氏の著作『キヨミズ准教授の法学入門』を読みました。

この方は”基礎法学”といって、法の実践面ではなく、法哲学や法理論のような分野がご専門のようです。

個人的には、古代ローマ法や中世カノン法のお話し...

そして、近代以前と近代以降とで社会のルールがどう変わったのか?、というお話しが面白かったです。

近代以前の社会では、身分や特定集団というものが確固として存在し、それぞれの中で異なるルールが運用されていた...

一方、近代以降の社会は、”ひとつのルールで社会の全成員を統一管理する”という点がそれ以前とは違うわけです。

その”ひとつのルール”が法典であり、ナポレオン法典を皮切りに、19世紀以降、続々と各国で法典が編纂されてきた。

こういうことのようです...

さて、法学だけではなく、経済学についてもこの方は触れておられます...

”経済学”というものを実にシンプルにまとめておられます。
このへんは、法学者という部外者の視点で経済というものを見ておられるからでしょうか...

以下に引用します...

『効用』というのは、人間がモノやサービス・情報から得る快適な気分のことですね。人間は、これを最大限に大きくしようとするはずだ、というのが経済学の根本的な仮説です


自殺のような現象だって、生きているよりも、永遠に意識を失う効用の方が大きいときに行なわれるものだ、って説明できますね。


”経済”に関して、このように的を得たシンプルな説明って、初めてです...

そもそも経済学の本って、初学者向けでも、分厚くて難解ですものね...

簡潔な説明の仕方に、思わず、う〜んとうなりました...

そして、この間、安倍総理がたしかノーベル経済学賞受賞学者のクルーグマン教授を招いてアドバイスを求めたところ、教授が、「なぜ日本の消費がこんなに弱いのかわからない」と答えていましたが、その解答が私にはわかったような気がしました。

要するにこういうことではないでしょうか...

アメリカ人は、消費することに快感(=効用)を感じる。だから、所得が上がれば消費も伸びる。

一方、日本人は、貯蓄することに快感(=効用)を感じる人が結構いる。だから、そういう人は所得に余裕ができても消費を伸ばさない。貯蓄のほうに回してしまう。

結果的に、日本では、経済環境が多少好転したとしても消費が伸びにくい...

各種の節約ブログやリタイアメント・ブログが多数存在し、かつ結構アクセス数があって(=人気があって)、さらには、雑誌に掲載されたり、書物化されているという事実もそれを裏付けている...

雑誌の記事や本になるということは、その内容にニーズが多くある、ということですからね...

ということなんじゃないでしょうか...






キヨミズ准教授の法学入門 (星海社新書) -
キヨミズ准教授の法学入門 (星海社新書) -




posted by スイス鉄道のように at 07:00| 東京 ☀| Comment(2) | 分析・考察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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