2016年04月19日

『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』が面白い!

4月12日の記事で”パブ・シャーロックホームズ”のことを書きましたが、このお店に置いてあった本で、『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』というものがありました...

何となく面白そうな気がしたので、図書館で借りて読みました。

ホームズのパロディもので、高殿円さんという日本人の女性作家が書いた本です。

予想通り、とっても楽しく読めました。

現代を舞台にしております...
以下、物語の冒頭の引用です...

「アフガニスタンでは多くの傷兵の命を救いました」
と、私は目の前に居並ぶ聖バーソロミュー病院の人事部長以下三名に向かって言った。その日はたしか二〇一二年八月七日で、むろんのことロンドンはどこもかしこもオリンピック一色である。ここにいる三人も私の面接さえなかったらテレビの前に釘付けになっていただろう……、そんなことを思いながら居心地の悪いパイプ椅子に座っていた。


物語の話し手は、ごぞんじワトソン博士...
でも、時は2012年、ロンドン・オリンピックの年なんですね。

ただし、アフガニスタン帰りというのは原作と同じ...

ビン・ラディンとアル・カイーダ掃討のためにアフガニスタンにアメリカが軍隊を出した際に、同盟国のイギリスも共同出兵していたからです。

時空を超えて同じ設定が成り立つのは不思議です...

さて、ワトソンは女性という設定です...

それどころか、ホームズもレストレードも、ホームズの姉(!)も、それからホームズのライバルのモリアーティもみんな女性なんです...

さらに、もともと女性だった家政婦のハドソンさんんは、”電脳家政婦”という設定でした。

2人の下宿であるベーカー街221bには、ハドソンさんの代わりにその夫のミスター・ハドソンが喫茶店を経営していて、店の名前も「赤毛組合」というからシャーロッキアンには楽しい設定です...

以下、引用です...

「私はスチュワート・ハドソンと申します。ちなみにここの店は『赤毛組合』といいまして」
「はあ」
「赤毛の方はもれなくコーヒーが半額になります」


カフェの店名のごとくつやのある赤毛が印象的なミスター・ハドソンは元々シャーリーの実家の使用人で、ウィルトシャーにあるという広大な邸宅に夫婦で住み込みで働いていた。それが不幸な事故によって夫人が他界すると、気力をなくして執事の職を辞してしまった。
亡くなった夫人の人格をできるだけ忠実に再現しプログラムされたのが、この221b専用AIである『ミセス・ハドソン』なのである。



タイトルの中の『緋色の憂鬱』も、原作の『緋色の研究』のもじりなのはわかります。

こうした楽しい設定だけでなく、推理小説としてのストーリー立てもしっかりしてますし、ホームズがとても個性的なのも魅力になっています。

作者の文章も、わかりやすくて、ときどき笑えて、先が待ち遠しくて、読者をぐいぐい引っ張っていってくれます...

そして、最後に大ドンデン返しが...

ホームズのからだのある秘密と、宿敵モリアーティとの関係が明らかになるんです...

それは...

ネタばれになるので書きませんが、次作をとても読みたいと思いつつ、名残惜しさと共に爽快な読後感を感じました...

イギリスやロンドンの描写も魅力的です。
実際、作者は、この作品を書くためにロンドンに行ったそうですから、リアリティがあるんですね...

おススメです。






シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱 -
シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱 -




posted by スイス鉄道のように at 07:00| 東京 ☀| Comment(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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