2016年06月21日

東京から見る景色...

昨日(20日)は舛添氏が最後の退庁をする映像がテレビのニュースで流れていました。

そして、今日、都知事の職を辞します...

先週から急展開を見せてきた本事件は次の段階に移り、7月31日の都知事選へと突入です。

争点は、政治家としての”人格”なのか、それとも政策なのか、政党なのか...
あるいは、タレント性などの知名度なのか...

いったい何を基準に都知事を選ぶべきか、よくわかりません...

18日に行われたAKB選抜総選挙のほうが、よっぽどわかりやすいです...

・・・

しかし都民の一人として、私は、選挙費用のほうが気になります。

任期満了になるほうが、よっぽど政治コストが安くて済みますものね。

そうです...
無駄なコスト(費用)こそが新都知事や政党同士の争いよりも重要です...

少子高齢化や国家財政は膨大な赤字か?とか、アベノミクス失敗か?、と言われるなかにあって、東京は人口も減っていませんし、経済も成長していますし、若者も全国から集まって来ていてそれなりに活気があるんです...

先週からのテレビ番組の次期都知事候補をめぐるニュースの中で、「東京はスウェーデン並みの予算」と言われておりました。

実際にはスウェーデンよりも1兆円ほど多いようです(約13兆円)...

他の地方自治体のように国から援助金も受け取っていません(国庫補助金や地方交付税)。

黒字財政です...

GDPで言うならメキシコやオランダ並みです...

また、19日の『噂の東京マガジン』の中では、東京オリンピックのための積立金が約4,200億円あると報道されていました。

こうして見ると、東京は非常に豊かだな、と感じます...

そんな東京に住んでいると、他の地域に住んでいる日本人とは違う景色が見えてきます。

日本は国債残高が膨大にあり、国の財政は破綻していて将来ヤバイのでは?
→ ノー...東京は関係ないですな...

日本経済は発展していない? マイナス成長で貧しくなっていくのでは?
→ ノー...東京は成長していまっせ...

などなど...

もし日本経済や日本の国家財政がどうにかなっても、東京だけ独立国家になればやっていけると考えます。

そう...

シンガポールのように、都市国家としてやっていけるはずです...

日本の経済,人口,財政などを考えるとネガティブな思いでどうしても考えがちになりますし、投資を考える際にも判断が悪い方向に左右されがちになります。

でも、”日本”では考えない...

日本に住んでいるんじゃなく東京に住んでいるんだという意識で、投資・消費など様々な行動をとっていきたいと改めて思いました...






posted by スイス鉄道のように at 07:00| 東京 🌁| Comment(0) | 分析・考察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月20日

『マネーの進化史』を読んで...(後編)

昨日の記事からの続きです...

今日は、『マネーの進化史』の中で、株式投資に参考になりそうなところを見ていきたいと思います...

以下、引用です...

長期的に見て、どの国の株式市場も、アメリカを凌駕してはいない。


一〇カ国の市場が、長期的な実質利益ではマイナスに陥っているが、ワーストの例はベネズエラ、ペルー、コロンビア、そして最下位はアルゼンチン(マイナス五・三六パーセント)だ。「株式の長期投資」は、世界的に広くお勧めできる特効薬だとはとても言えない。


南米は株式投資に有効ではなさそうというのが、以前紹介した『文明〜』の内容と同じく著者の主張、というより歴史的データのようです。

要するに、世界全体にまんべんなく投資しても予想される結果には疑問が残るということで、投資先の国は厳選した方が良さそうです。

ただし南米の中でもチリは例外で、我々日本人がスーパーでよく見かけるチリ産のワインや鮭はチリが社会改革に成功したからで、その経緯が記されています。

ピニェーラは労働大臣(のちに鉱業大臣)として、チリにおける革新的な新しい年金制度を創設し、あらゆる労働者に対して、国民年金制度から脱退する機会を与えた。勤め人は給与税を払う代わりに、同等の額(給料の一〇パーセント)をそれぞれの個人退職金口座に振り込み、口座は年金基金管理機関(AFP)と呼ばれる自由競争に基づく民間会社が管理した。


個人退職金口座にもたらされる年収益率は一〇パーセントを超え、チリの株式市場の右肩上がりの業績―一九八七年から一八パーセントも上昇―を反映している。


国民の貧困率は、ほかの中南米諸国が四〇パーセントであるのに比べ、チリはわずか一五パーセントへと劇的に減少した。現在のサンティアゴは、アンデス山脈に沿った輝ける都会で、南米で最も繁栄して魅力的な首都の一つになっている。


チリは、日本の確定拠出年金にも似た制度を導入(ただし国民年金は廃止?)したおかげで、労働意欲が上昇し、株価も上がり、首都も繁栄...

わが国もこうありたいですな...


さてアメリカの状況ですが、まず、破産に関しての生々しい記述がありました...

全米で毎年、およぼ一〇〇万件から二〇〇万件の倒産がある。そのほとんどが、個人の借金が返済不能になり、いたずらに奮闘するよりも破産ないし倒産を選ぶ。その件数が、テネシー州では異常に多い。


一八九八年以来、アメリカ人ならだれでも、連邦倒産法・第七章(清算)および第一三章(定期収入のある個人の債務整理)に申告できる。貧富の差に関係なく、アメリカ人は破産を「生存し、自由を満喫でき、幸福を追求する権利」とほぼ同等な、「不変の権利」だと心得ている。その根底にある理念は、法によって企業家精神を奨励しようという姿勢だ。


アメリカでは、借金をチャラにして人生をやり直すのが意外と簡単にできるようですね。

その代表がテネシー州の制度らしくて、メンフィスという町の様子が描かれています...

ある店では車を購入するためのローンを宣伝しているし、二番抵当を専門にする会社もある。小切手を現金化できる店もあり、給与の前借りもできる(ただし、利率は二〇〇パーセント)。いうまでもなく、デパートほど大きい質屋もある。具合のいいことに、すでに家具が質で流れてしまった人のためにはレンタルセンターがあって、テレビなどを安く貸してくれる。隣には献血センターがあって、献血者には五五ドルが支払われる。現在のメンフィスでは、「血抜き」に新たな意味を与えていて、肉一ポンドを切り取られるほどの苦痛はないかもしれないが、不気味なほど似ている。


無一文者のための質屋に給料の前借り屋、それから、家具さえ売っぱらった人のためのレンタル家具屋さんに、献血でカネを手に入れられる場所...

テネシー州にはアメリカ各地から破産者が押し寄せるみたいで、様子が目に浮かぶようです...

借金を背負ってもくよくよしたり、日本のように自殺を考えたりせずに、明るく再出発を選ぶアメリカ人たち...

国民性の違いという感じでしょうか...

昨日の記事に書いたイギリス式のシステムにしても、このアメリカの個人の破産のシステムにしても、”健全な借金”であれば何の問題もないどころか、将来の発展のためには必要不可欠の仕組みだという文化があるみたいです...

経済発展を成し遂げるために、信用や負債は、いわば建築に不可欠なレンガのような必須素材だ。


金属がカネなのではない。信用を刻印されたものがカネなのだ。


というわけです...

これがアングロサクソン型資本主義というものみたいです...

さて、長くなってきたのでここらで締めたいと思います。

株式相場で勝つコツについて、ヒントになる箇所の引用です...

もしダウ平均株価の月足を表にしたら、平均値の付近に多くが集まるのではなく、最大値や最小値の両端に多くの上下変動がみられるだろう。この現象を、統計学者たちは「ファットテール」と呼ぶ。


かつてジョン・メイナード・ケインズが指摘したように、危機になると「市場は、支払い能力がついていけないほど長い間、非合理的に動くこともある」。


起きるはずのないことが、起きてしまった。突然、ロングタームが関与するその他の市場がすべて同調した動きを見せ、分散投資による保護手段の意味がなくなった。専門用語で言えば、相関が一に達した。


市場はときどき特異点を刻むもの、ということです。
まさに、リーマンショックやロングターム・キャピタル・マネジメントの破綻がそれを示しています...

市場を中長期で平均化して考えることは、危険にも危険...

分散投資だって絶対ではないし、昨日の記事に書いたように、第一次世界大戦であっという間にほとんど全ての投資のポジションがパーになるという事態もありえますから...

そして...

ソロスが成功した最大の根源は、勝者を言い当てたというより、敗者を特定することによってもたらされた。


”勝つコツ”は、敗者を当てることだというわけです...

考えてみると、ナルホド!です...

勝ち組を当てるのは難しいけれど、負け組を当てるのはそんなに難しくない...

あらためて気づけましたね...







posted by スイス鉄道のように at 07:00| 東京 ☔| Comment(0) | 投資情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月19日

『マネーの進化史』を読んで...(前編)

ニーアル・ファーガソン著『マネーの進化史』を読みました。

5月26日,27日の記事に買いた『文明 西洋が覇権をとれた6つの真因』の著者の方です...

イギリス出身の経済学者で歴史学者...

今回は、古代メソポタミアから現代までのマネーの歴史が記述されています。

読み物としても面白いし、金融や経済の勉強にもなります。

我々日本人の学校での歴史の勉強や、日本語の歴史書や経済書には出てこない情報もたくさん載っています。

マネーの進化史 -
マネーの進化史 -

文庫本もあるようです...
マネーの進化史 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) -
マネーの進化史 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) -


例によっていくつか引用してみましょう...

ワーテルローの戦いは、二〇年にわたってフランスとイギリスの間で断続的に続けられた衝突の天王山だった。だがそれは両国の軍事対決であるとともに、対立する二つの金融システムの覇権争いでもあった。つまりフランス・ナポレオン治下で略奪(被征服者に対する課税)に基盤を置くシステムと、イギリス側の負債に基づくシステムの対峙だ。


ナポレオンV.S.大英帝国の戦いは、政治面というよりは金融・経済面での世界史の分岐点だったようです。

フランスの統治体制は、支配下地域から直接税金を吸い上げるシステム。
一方のイギリスの統治体制は、債券をまず発行させ(=借用証書を作らせ)、利子と元本の返済義務を負わせるシステムでした...

そして現在に至るまで、この「勝者イギリスのシステム」が世界の金融の主流になってきたのだな、と気づきました。

すなわち、国には国債、個人には住宅ローン、会社には社債と銀行からの借入金...

今や、様々な経済主体が借金を負うようなシステム(仕組み)に世の中はなっているかと思いますが、ここが起源だったのだな、と...

で、どこの誰がこういう仕組みを作ったのかというと...

ワーテルローの戦いのあと、ロスチャイルド一族は半世紀もの長期にわたって、国際金融市場を支配した。


一八一五年以降のロンドン債券市場で特筆すべき点は、ロスチャイルドが新しい借り手のほとんどに、それぞれの通貨ではなく、スターリングと名づけられた新しいポンド通貨建てで債券を発行させ、利子の支払いをロンドン、あるいはロスチャイルドが支店を持つヨーロッパのいずれかの市場でおこなうように要求したところにある。


ロスチャイルド一族が確立したこの世界金融システムは、世界を席巻します...

グローバリゼーションは決して新しい現象だとは言えない。第一次世界大戦が始まる一九一四年までの三〇年間に、世界全体の生産高に貿易が占めた比率は、現在までの三〇年のそれに匹敵する。


国際投資にかかわる人びとにとって、一九一四年までの三〇年間は文字どおり黄金時代だった。


ロンドン株式市場は、五七もの政府や植民地政府が発行した債券を取り扱っていた。


例えば日本も、日露戦争の戦費はロンドンの金融市場で発行した日本国債によっています。
(ロンドン金融市場とロスチャイルド家がいなかったら、日露戦争は勝てなかったんです)

ロンドンは言うまでもなく、大英帝国の心臓部...

そして、”七つの海を支配する”と言われたこの帝国の支配体制といえば...

外国の貿易相手が債務不履行を決め込んでしまえば、地球の裏側にいる投資家には、ほとんど打つ手がなかった。第一次グローバリゼーションの時期には、このような事態に対して恐ろしいほどシンプルで効果的な手を打った。ヨーロッパのルールを押し付けたのだった。


借り手が植民地である場合、債務契約は当然ながら独立国家との契約に比べて、いざというときに強制執行に訴えやすい。


外国の政府が乱暴な行動を取ったときには自国の政府が砲艦を送り込んで救ってくれる、と投資家たちが頼れる時代...


大英帝国の砲艦外交の裏側がよくわかります...
おとなしくカネを返せばよし、返さない場合は武力で制圧(特に相手が弱い場合)...

大英帝国が”海賊資本主義”と揶揄されたのもうなづけます...

しかし、そんな国際金融の仕組みも第一次世界大戦勃発であっという間にお陀仏となります...

本格的なヨーロッパ戦争が始まるかもしれない、と遅ればせながら気づいたときには、流動性などというものは、風呂の底が抜けたように世界経済から消えていた。


もろに波を受けたのが、ロンドンの商業手形仲買業者だ。その多くは、ヨーロッパ大陸の取引先にかなりの金額を貸していたが、相手方が送金できなくなったか、あるいは送金する気をなくしたためだ。彼らが苦境に陥ったため、次には手形引受商社(一級の商業銀行)に衝撃が及んだ。彼らは商業手形を引き受けていたわけだから、外国人が債務不履行に陥れば、真っ先に影響を受ける。


第一次金融グローバリゼーションは、達成するまでに少なくとも一世代かかった。だが崩壊に要した時間はほんの数日。


我々日本人は第二次世界大戦が大転換だという認識ですが、金融史的には第一次世界大戦が大転換点...

著者はワーテルローの戦い〜第一次世界大戦までを、”第一次金融グローバリゼーション”の時代と呼んでいます。

そして、両大戦間の混乱期をへて第二次世界大戦後のIMF体制へ移り、20世紀末でふたたび国際化の流れが激しくなり、以後現在までが”第二次の金融グローバリゼーション”の時代と見るわけです...

・・・

これ以外にも古代メソポタミアで金貸し業がすでにあったこと、中世イタリアのメディチ家の物語、寡婦救済や海上保険から始まる保険の歴史、などが語られています...

広範な知識で表(おもて)の歴史の裏側にあるマネーの歴史の存在とその重要性をあぶり出す著者...

そんな著者が総論として言いたいことは、”マネー”というものは、人類の幸不幸に対して、悪くても中立、普通に見ても「貢献してきた」ということです。

金融市場は人間を映す鏡であり、私たちが自分自身や自分たちを取り巻く資源の価値をどのように評価しているかをつねに示している。人類の欠点が、美徳と同じようにあからさまに映ったとしても、それは鏡のせいではない。


カネが世界を回しているわけではない。実際に回っているのは、おびただしい数の人間であり、物資であり、サービスだ。


銀行、債券市場、株式市場、保険や不動産の所有―をすべて組み込んだ経済は、それらがなかった時代の経済形態より長期的にはうまく機能するようになった。金融を扱う機関を通せば、封建制度や計画経済に比べて資源を有効に活用できるからだ。


人類が進歩する裏側にはマネーの進化という原動力があった。自給自足型の農業という単調でつらい仕事や、マルサスの人口論が示すみじめな状況から解放されるためには、人類には科学の進歩や法の普及と同じくらい、金融の技術革新や仲介業務や統合などの複雑なプロセスが不可欠だった。


金融システムが進歩したおかげで、庶民の暮らしは「みじめなどん底生活」から、多くの人たちは現在のようにキラキラ輝く「豊かな物質文明」を満喫できるようになった。


ひと言、ひと言が身に沁みますね...

マネーは用い方によって毒にも薬にもなるとか、あるいは道具に過ぎないとか言われますが、まさにその通りで、マネーが悪に働く場合は、結局その原因は”人”だということです。

そして、マネー自体は人類に貢献してきたのだというわけです...


長くなったので続きは明日にしたいと思います...







posted by スイス鉄道のように at 07:00| 東京 ☔| Comment(0) | 投資情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

にほんブログ村