2016年06月05日

独身女性税務署員が活躍する「トッカン」シリーズを読んで...

4月19日と29日の記事に書いた高殿円さんの著作で、「トッカン・シリーズ」と呼ばれる三部作を読みました。

トッカン―特別国税徴収官― (ハヤカワ文庫JA) -
トッカン―特別国税徴収官― (ハヤカワ文庫JA) -

トッカンvs勤労商工会 (ハヤカワ文庫JA) -
トッカンvs勤労商工会 (ハヤカワ文庫JA) -

トッカン the3rd おばけなんてないさ (ハヤカワ文庫JA) -
トッカン the3rd おばけなんてないさ (ハヤカワ文庫JA) -

主人公は独身(25歳)の女性税務署員です。

あだ名は、”ぐーちゃん”...

上司からお小言や説教をされると、言い返さずに「ぐっ!」と奇声を発して言いたいことをガマンしてしまうからだという設定の女の子です。

しかし、おとなしい小心者というわけではなく、忘年会では同期の女の子と取っ組み合いのケンカをするという側面もあります。

勤務先は東京都心の税務署で、税金の滞納者相手の取り立てをする仕事に従事しつつ、人生に悩んだり、仕事に悩んだりしながらの日々を描きます。

なお、「トッカン」というのは”特別税務調査官”の略で、本庁(国税庁)から出向してきている鏡雅愛という副主人公のこと。
この人付き(特別税務調査官付き)に指名され、特別な徴収案件に携わることになったのが、ぐーちゃんこと鈴宮深樹ちゃんなわけです。

趣味は貯金のようです...

1作目の冒頭で、以下のように紹介されています...

「株でも下がったのかしら。そういえば、ぐーちゃん、冬のボーナスの行き先決めたの? この間山ほど投資のパンフレット持ってたじゃない」
いつも、わたしが休み時間に熱心に貯蓄について研究しているのを知ってか、木綿子さんは言った。
最近のわたしの趣味は、いかに利率よくまとまった金を預けるか、なのだ。悲しいかな、独り身で結婚の予定もない女にとって、すがれるのは預金だけなのである。


服装については、上司(鏡雅愛氏)から安物で固めているのを見抜かれます。
こんな感じ...

初めて鏡に会ったときのことだった。わたしはあの男、鏡雅愛に、会うなり「九千八百円の女」と言われたのである。
『それ、○井で先週セールやってたリクルートスーツの売れ残りだろう』
挨拶代わりがその一言だった。


トータル九千八百円と言われたのを、わたしは思い出した。リクルートスーツに量販店のブラウス、アクセサリーは福袋。靴は合皮。身につけているものの値段を全部当てられたことを。
『お前、本当に二十代の女か?』


彼女は神戸出身で、安定した公務員になりたくて上京したものの、税務署員になるための試験以外は落ちてしまい、最初は仕方なく勤め始めます。

そして、独身で彼氏なし...
節約生活を送り、貯金を増やしながら日々の仕事を頑張っているというありがち(?)な20代女子のパターン...

でも、ちょっとズレてるところもあったりするんです...

脱税をしようとしている銀座のバーのマダムの手下の女にダマされてトラップにはまり、”接待を受けた容疑”をかけらりたり...

栃木まで出張し、怪しげな運送会社に乗りこみ、荒くれ男たちを前にしてひるまずに、机の上に乗ってタンカを切ったり...

通常は実務に携わらない税務署長を強引に引っ張りだして、銀行の支店長に会ったり、裁判所に乗りこんだり...

その際、つぶやいた言葉がコレ...

最後の一手まで全力を尽くしてやる。下っ端のうちに切れるカードなんて、厚顔無恥以外なにもないのだ。


また、こうも言っています...

必要以上に落ち込まないようにするのも仕事のうちだ。ずうずうしく、ふてぶてしく。これは以前の事件からわたしが学んだことである。



こんな個性的で芯のあるこの女の子のハチャメチャな物語が展開されていきます...

いやあ、面白いですなぁ...
このシリーズとして3冊出ているのですが、あっという間に読み終えました...

テレビドラマ化もされていたようです。
↓↓↓
http://www.ntv.co.jp/tokkan/

気づきませんでした...
(知ってたら見てたんだけどなぁ)


さてこの本では、面白いだけではなく、税金や税務署関連のいろんなウンチクも披露されていていろいろと参考になります。

以下に一番気になった箇所を引用してみましょう...

「ぬかせ。国税徴収法は日本最強の法律だぞ。令状なしで乗り込めるのは税務署の徴収員だけだ。俺たちに怖いものなどない!」


「国税徴収法第一四二条により、国税職員は財産を捜索するために必要だと思われる箇所を強制的に解除、施錠の除去をすることが許されている。従って、あなたがここを開けない場合は、この自動ドアを割って侵入するが―」


国税徴収法の実態を知ったとき、わたしは心の底から震え上がった。恐ろしい法律だと思った。税務署が警察よりも強い権力をもっているということは、国にとって一番大事なことは人の命ではなく、税金を守ることなのだ。


そうなんですね...

著者の個人的見解が表われているとは思いますが、”国”というものは人命よりも財源確保の方が大事...

的(まと)を得ていますね...






posted by スイス鉄道のように at 07:00| 東京 ☀| Comment(2) | 気づき・ヒント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

にほんブログ村