2019年02月21日

『世界一豊かなスイスとそっくりな国ニッポン』を読んで...

川口マーン恵美著『世界一豊かなスイスとそっくりな国ニッポン』を読みました。

著者はドイツ在住で、学生時代以来スイスもちょくちょく訪れてきたという方です。

世界一豊かなスイスとそっくりな国ニッポン (講談社+α新書)
世界一豊かなスイスとそっくりな国ニッポン (講談社+α新書)

スイスの国民性、政治・経済事情、日本との比較論など、勉強になることがたくさん書いてありました。

私は、”スイスグローバルリーダーファンド”という投資信託を保有しているので、特に参考になりました。

以下、有用だと思うところを引用して紹介します。

スイスにとっても日本にとっても輸出は重要だが、日本の貿易依存度は低い。二〇一三年の数字を見ると、GDPに占める輸出依存度は、たったの一四・五%……これは先進国ではアメリカの九・五%に次ぐ低さだが、スイスは三一・七%だ。ちなみにお隣の韓国は四二・九%にも上る。


スイスの輸出産業のトップは化学・薬品で、第二位が精密機械・時計、第三位は機械だ。どれをとっても、研究や技術、そしてイノベーションの能力が問われるものばかりだ。


ユーロ圏の財政破綻国が、ドイツの主導する経済政策によって支配されるようになって、すでに久しい。しかし、そのおかげで経済状態が好転した国はなく、かといって、政策を見直すことも許されず、多くの国がすでに何年も苦境に喘いでいる。ドイツ経済が独り勝ちといわれるほど好調であるのは、ドイツにとってはユーロがそもそも安い通貨であるためだ。言い換えるなら、ドイツの輸出は安いユーロに守られている。


スイスの輸出の六割近くがEU向きで、取引はほぼすべてユーロ建てになっているということを考えれば、これからもスイスの苦しい状況は続きそうだ。


日本よりも貿易依存度、それも輸出依存度の高いスイス...

南欧諸国の経済不振とスイスフラン高は、これからもスイス経済が苦戦しそうなことを想像させます。

しかし、スイスはひとり当たりGDPが日本よりも高く、スイス人の生活水準は高いそう。

スイス人は、ドイツ人にいわせれば金遣いが荒い。田舎の話はさておいて、チューリヒにせよ、ジュネーブにせよ、ベルンにせよ、とびきりの金持ちが多いことは確かだ。収入はそれなりに高く、ドイツで新卒の技術者の月給が二五〇〇ユーロ(約二九万円)だとすると、スイスは四五〇〇スイスフラン(約四七万円)というから二倍近い。


また、勤勉でなスイス人は、ベーシックインカムに関する国民投票に次のような反応を示したそうです。

投票の結果、ベーシックインカム案は約七七%の高率をもって否決された。


日本よりもこじんまりとしていて民主主義が徹底している国で工業化や近代化の最先端をいってきたスイスは、生活水準の高さを維持し続けようとする国民の意志とEUへの対応の板挟みになる度合いが強いな、と思いました。

EUからの出稼ぎ労働者の問題やEU経済の迷走により翻弄される困難な時代がやっても来るわけで、これからのスイス経済を順調には進展させていかないようです。









posted by スイス鉄道のように at 07:00| 東京 ☀| Comment(0) | 投資情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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