2018年07月09日

『トマトとイタリア人』を読んで...

『トマトとイタリア人』という本を読みました...

トマトとイタリア人 (文春新書)
トマトとイタリア人 (文春新書)

新書でページ数も200ページいかない、非常に読みやすい本です。

著者はイタリア人で、イタリア料理や文化にかかせない存在であるトマトの歴史がつづられています。

トマトはアメリカ原産ですが、ヨーロッパに輸入されてしばらくは観賞用で食べられなかったそうです。

それが、貴族の庭園や王宮の庭園を手入れしていたイタリアの庭師たちが持ち帰って食べるようになったのだとか。

貧しかった南イタリアの農民たちがそれに乗っかります。

こうしてトマトを食べる習慣が18世紀頃からヨーロッパ全体へと広がっていったようです。

著者は、あとがきでこう言っています(引用です)...

読者の皆さん、人生とはまさに、魅力と驚きに満ちたこのトマトの歴史のようだと思いませんか? 人の才能や真価というのは、誰にも気づかれることなく隠れたままになっていることが多いものです。それが世間に認知されるためには、当人の努力もさることながら幸運と偶然に恵まれて、ということが多い。本書を書き進めるうちに、トマトと私たち人間は似たような境遇にあるな、としみじみ思ったのでした。


なんか、勇気づけられる言葉だと思いました。

その通りですよねぇ...

また、リタイアメントに参考になる文章もありました。

ローマ郊外、南部にカステッリ・ロマーニと呼ばれる丘陵地帯がある。その美しい自然に惹かれてヨーロッパ中から芸術家たちが訪れて、作品の題材にしてきた一帯である。現在では、住宅地となっているが、それでも昔からの美しさはそのままで、皆の憩いの場所となっている。
……(中略)……
パオラ夫人は、ローマの中心に生まれた。両親は市内でごく小さな金物屋を営んでいて、やがてパオラ夫人はその店を継ぐ。金物屋の収入を貯金して、一九六八年にローマ郊外の丘陵地帯に、葡萄畑と菜園のついた一戸建ての別荘を買った。「空気がおいしくて、丘の上から海まで見渡せるすばらしい眺めに魅せられたので」パオラ夫人は、郊外に家を持った理由をそう説明する。


この人は、その後、ワイン作りも始め、そのワインが賞を受賞もし、さらに彼女が作る料理が評価されて、〈イタリア家庭料理の民間大使〉と呼ばれるようになったそうです。

この人は、実に賢いお金の使い方をしましたねぇ...

また、お金で買えない価値あるものを得たとも思います。

そして、この本を読んだ私は、ただ単にトマトの歴史だけではない、何か大切なものをこの本を読むことで得させていただいた、と思いました。

これらの他にも、トマトにまつわるいろんなエピソードが散りばめられているんですが、何かしらほっこりするものばかり...

著者の豊かな人間性が感じられました...

さらに、イタリアという国は、文化、芸術、歴史の深さ、人の幸せなどに理解を向ける素晴らしい国だとも思いました。







posted by スイス鉄道のように at 07:00| 東京 ☀| Comment(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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