2020年03月27日

テリー伊藤著『お笑い外務省機密情報』の感想...

テリー伊藤著『お笑い外務省機密情報』を読みました。

題名の通り、タレントのテリー伊藤さんの著作ですが、少し古く20世紀末の出版です。

図書館で借りて読みました。

お笑い外務省機密情報 - テリー伊藤
お笑い外務省機密情報 - テリー伊藤

内容も当時の外務省の内幕を書いたもので、組織の恥部や体たらく中心に書かれています。

外務省OBや嘱託職員などに直に取材して聞き取った結果をふまえているので信頼性もあります。

今でもこの内容の通りか否かわかりませんが、我々の納めた税金がこんなふうに無駄に使われているのかとか、各国の日本大使館は官尊民卑の発想で在外邦人に接しているんだとか、情報収集をマトモにせずに現地マスコミ報道の切り貼り(スクラップ作り)で済ましているのだとか、あきれはてる事態や憂慮すべき事態が多々書かれていました。

特に外国へ行く際に参考になると思う点としては、こんなことがありました。

アルバニアで「国家崩壊」という、かつてない事態が起きた。誰もがアルバニア脱出に走り、アドリア海の対岸、イタリアの海軍が、押し寄せる難民満載の船を阻止しようとして、撃沈してしまうという惨たんたる悲劇まで起きた。
このときアルバニアには日本人12人が残っていた。
ところが誰ひとり、祖国日本の大使館には向かおうともせず、他国の大使館のいくつかに逃げ込んだ。
この事実は、世界中で、特にヨーロッパとアメリカの政府関係者、マスメディアに「不思議な話」として注目された。
……(中略)……
「日本大使館に逃げ込んでも、日本には救出の手段がないことを知っているからですよ」
これも世界の常識、日本の非常識なのだ。
つまり、世界中にいる在外邦人と、各国の政府関係者、ジャーナリストが、危機のとき日本大使館に逃げ込んだりしたら助からないことを知っている。


アメリカは海外で米国市民が危機にさらされたときは、「米国大使館か、アメリカン・スクールに逃げてください」という、明確にして簡潔なマニュアルをふだんから決めている。
そして、そこに海兵隊の輸送ヘリコプターが救出に行くのである。
しかし、日本大使館に自衛隊のヘリは決して飛んでこない。


う〜ん、コワイッスねぇ...

でも、著者および取材された外務省(匿名)の言い分として、「安全保障を戦後、アメリカ任せにしてきた我が国国民全体の意識のツケでもある」という指摘には、そうかもしれないとも思いました。

あらためて”主権国家とは何ぞや?”という認識を持つとともに、とは言うものの、日本国民の国際感覚や人権・人道に関する知識を鑑みると、我々自身の民度では英米仏のような存在にはなかなかなれないとも感じました。

なお、本の内容としては、こんなシリアスな話題だけではなく、エロチックなスキャンダル実話や現地公館の贅沢な暮らし、ハチャメチャなエピソードなど、楽しいものになっております。

ぜひ一度、ご一読をおススメします。






posted by スイス鉄道のように at 07:00| 東京 ☀| Comment(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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