2020年06月28日

出口治明著『「都市」の世界史』を読んで

出口治明著『「都市」の世界史』を読みました。

世界史上著名な都市の歴史に焦点を当てつつ、同時に世界史を語るというスタンスの内容でした。

グローバル時代の必須教養 「都市」の世界史 - 出口 治明
グローバル時代の必須教養 「都市」の世界史 - 出口 治明

歴史好きの私にとっては既知の情報が多かったですが、新たに学べたこともありました。

以下に引用して紹介したいと思います...

イスラム勢力が仏教寺院を攻撃したのは、偶像崇拝の対象である仏像の存在が理由でしたが、それ以上に、仏教の信者に都市部の富豪やインテリ層が多く、どこの寺院もみな裕福だったからです。大多数の貧しい民衆が信仰していたのは、バラモン教から発展し、民族宗教のようになり始めたヒンドゥー教でした。

仏教がインドで衰えたのは、必ずしも教義が一般大衆に受け入れられなかったからではないんですね。

逆で、勢力を持っていたがゆえに侵略者であるイスラム教徒に狙われ撲滅させらたのだということです。

通説ではない新説、たいへん勉強になりました。


アカデメイアの学者たちは、ギリシャやローマの貴重な文献を持ってサーサーン朝ペルシャに亡命し、ジュンディーシャープールにあった学園に再就職しました。サーサーン朝ペルシャが滅びると、アッバース朝のカリフがバグダードに「バイト・アルヒクマ」(知恵の館)をつくり、ジュンディーシャープールの学問を受け継ぎました。この時代にギリシャやローマの大量の文献がアラビア語に翻訳されたのです。そしてアッバース朝が衰えてくると、ファーティーマ朝のハーキムが、カイロの地に新しい知恵の館「ダール・アル=イルム」を創設したのでした。
「ダール・アル=イルム」がつくられてからイスラム帝国の文化の中心地は、バグダードからカイロへと移ります。

これも、通説でいう「イスラム世界がヨーロッパに先進知識を伝えた」ということが間違っていたということがわかります。

そうではなく、キリスト教徒のローマ皇帝からの迫害を逃れた亡命ヨーロッパ人がイスラム世界に知識を伝え、それが回り回って元のヨーロッパへと戻っていったということのようです。


全般的な感想としては、たいへん読みやすく、教養にもなる、優れた市井の一冊という印象です。

歴史教科書か副読本にしてもよいような感じの内容でした。

おススメの一冊です...







posted by スイス鉄道のように at 07:00| 東京 ☁| Comment(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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