2020年08月28日

『ローマ帝国の没落』を読んで

チェインバーズ編『ローマ帝国の没落』を読みました。

古代ローマ帝国の滅亡要因に関して論じた論文集(ただし抜粋)です。

ローマ帝国の没落 (歴史学叢書) - 弓削達, モーティマー・チェンバーズ
ローマ帝国の没落 (歴史学叢書) - 弓削達, モーティマー・チェンバーズ


教科書では、ゲルマン人の侵入によって徐々に弱体化し、とうとう476年に西ローマ皇帝が廃されたと書かれていますが、他にもいろんな見解があるのだと勉強になりました。

軍事最高指揮官の制度説、混血弱体化説、人口減少説、国民の兵役忌避説、気象悪化説、農地消耗説、階級対立説、国家社会主義化説、などなど...

どれも一理ある、しかし一面を表しているに過ぎないとも思いました。

結局、さまざまな要因が重なってハードウェア的に西ローマは崩壊しつつも、最後の論文にあるように、ソフトウェア的にはローマ法の継承とローマ教会の制度のなかに昇華されたという考え方がしっくりきました。

ローマの統一の道具であり象徴であったローマ法は、ローマの最大の偉業であった。中世がこの遺産をうけついだ結果として、教会も国家もそれぞれの法体系の基礎を与えられたのであり、また法の構造の中に体現されている公平と人間愛の原理は広く普及して、ヨーロッパの文明化は促進されたのであった。ローマ法は帝国と運命を共にはしなかったのである。


教会もローマから組織と行政と法の基礎をうけとった。東部と西部で教会と国家はローマの豊かな制度的遺産をうけとり、これによってローマ国家の理念と伝統を永続させたのである。


現在も生き続けているローマ法を基礎とする各国の法制度とローマ・カトリック教会...

あらためて、この2つのソフトウェアを理解することが今の世の中を真に理解する要具となることを再認識いたしました。







posted by スイス鉄道のように at 07:00| 東京 ☀| Comment(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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