2016年06月14日

デービス一族の成功の秘訣は?(2.テクニカル面)

昨日からの続きです...

昨日は、各銘柄の(各企業の)良し悪しをいかに見抜くかという、企業のファンダメンタルズ面からの見方を書きました...

今日はテクニカル面...

すなわち、市場の状況をいかに把握し、業界毎や分野別の浮沈をいかに見抜くかについて、『デービス王朝』から学んだことを記したいと思います。

例によって、引用します...

それぞれの時代で一番人気のある資産が実はその所有者を貧乏にするというのは、悪い冗談だろうか。二〇世紀ではだいたい二〇年ごとに、その時代に最高の結果を残した資産が頂上を極めた後に、長期の下げが始まっている。


データ・プロセシング、コントロール・データ、エレクトロニック・データ・システムズなど絶大な人気を誇った銘柄や、社名に「データ」がつく銘柄はすべて、投資家を悲惨な目に遭わせた。下落率は著名なコングロマリット一〇社が平均八六%、ハイテク株全体が七七%、コンピューター及びコンピューター・リースが八〇%とすさまじかった。


ハイテク企業は経営がしっかりしていても、賢い競争相手やライバルの科学的大発見によって没落する可能性が常にある。


シェルビーは割高成長株を買うことの恐ろしさを痛感した。彼はまた企業経営者がたいていプラス面ばかりを強調し、マイナス面にはなるべく触れないことも学んだ。


製造業全体の歴史を見ても、長年生き残った会社はほとんどなく、新発明で生き返った会社だけが時代遅れにならずに済んだ。


要するに、市場で旬の人気銘柄には飛びつくな!、ということですね。
そういう銘柄は買われすぎの場合が多いということです。

また、新発明や新技術で市場の注目を集めるような製造業は、せいぜい下げ止まる効果しかないということも勉強になります。


再び、引用です...

当時、「もう発明するものは残されていない」という愚痴がよく聞かれたが、デービスはそれに対する反論材料がアメリカの一般家庭にあることに気づいていた。
家庭当たりの電力消費量は一九三〇年代にほぼ倍増し、電力に関しては大恐慌の影響はまったく見られなかった。
彼は第二次大戦後の住宅、自動車、生命保険ブームにうまく乗った。


ゴーゴー・ファンドは一九六五年に四〇%超のリターンを稼ぎ出した。ポートフォリオの中身は、アプライド・ロジックなど「新時代」の企業、メディケア(高齢者向け医療健康保険制度)から恩恵を受ける養護施設チェーン(フォーシーズンズ・ナーシング・センターズ、ユナイテッド・コンバレセント・ホームズ)、ケンタッキー・フライド・チキンのような積極的なファストフード・チェーンなどの銘柄だった。


一九七〇年代半ばのテーマは明らかにインフレで、石油、鉱山、森林製品などの実物資産が輝いた。


ボルカーはプライムレートが二〇・五%、三〇国債利回りが一五%に急上昇するまで政策金利を上げ、マネーサプライを絞り続けた。アンクル・サムの借用書に一五%の利息が付いたこのときは、後で考えると二〇世紀最大の債券の買い場だった。


狂乱の一九九〇年代では、標準的な家庭は(クレジットカードとホーム・エクイティ・ローンを最大限に活用して)借金で請求書の支払いをし、余分な現金は値上がり間違いなしと思われたハイテク株に投資するのが当たり前だった。これはデービスと正反対のやり方で人々は多く投資をするために節約するのではなく、少なく投資するために投資をした。


一〇年単位で見ると、一昔前の流行産業はすべて次の時代にその信奉者を破滅させてきた。


五〇%値下がりした株が元に戻るには、一〇〇%値上がりしなければならない。


要するに、それぞれの時代でテーマがあるということ。
経済ニュースや身近な消費動向から、それを把握することが大事というわけです...
(テーマ株に飛びつけ、というわけじゃないです...)

日本の古来の諺に「盛者必衰」というものがありますが、株もまたおなじ...
時代によって栄枯盛衰があるわけですね。

ちなみに、”インデックス投資”は、栄枯盛衰を頓着せずに投資する方法です...
なぜなら、ブーム株は買われすぎで高く、インデックスに強く反映されますから。

一方、過小評価されている株は、その時点でのインデックスには弱くしか反映されません...

つまり、インデックス投資とは、過大評価のブーム株に手を出し、逆に、過小評価されているお値打ち株を少ししか買わない投資方法だとも言えるわけです。


最後に、もう2つほど、テクニカル面での参考情報をば...

長期上昇局面のスタート時点では、投資家は平均的な株を利益の一〇〜一五倍で買うことができ、デービス家にとって何千もの銘柄が投資対象だった。だが、クリスがベンチャーの運用を任されたとき、平均的な株は利益の二五〜三〇倍で売られ、デービス家の投資対象は限られていた。


俗にいうPERに基づく投資ですが、25倍以上だと投資を手控え、10〜15倍だと投資することを考えてもいいようです。(あくまで一般論です)


結果として、強気相場を演出するのに大衆は必要なかった。世間は株を買いたがらなかったが、株式保有者たちも株を売りたがらなかった。株価を押し下げる売り手が少ないと、買い手が比較的少なくても株価を押し上げられた。


大衆が猛然と買ったのに優良株が低迷したという事実は、ベテラン株主が猛然と売ったことを意味している。


出来高が大きいときは売買が交錯し、その原因はベテラン株主が売り抜けようとしていること。
また、出来高が少ない時は、その後強い上げ相場になる可能性が高いこと。

以上のことがわかります...





P.S.
投資はあくまでも自己責任でお願いします。
上記に書いたことは単なる一つの見解に過ぎません...




posted by スイス鉄道のように at 07:00| 東京 🌁| Comment(0) | 投資情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月13日

デービス一族の成功の秘訣は?(1.ファンダメンタルズ面)

昨日からの続きです...

デービス家の3人はみな、父の財産や遺産を当てにするのではなく、自力で稼いで来ています。

もちろん、インデックス投資や分散投資などではなく、”個別株投資で”です。

そして、初代デービスの成功の秘訣は、数字だけを見て判断するのではなく、実際に投資対象として考えている企業の経営者に会って話をすること。

そうすることで、伸びる企業かどうかを自分の目で確かめること。

以下、引用です。

企業のトップと直接会うことによって、「はったり屋」と「行動家」の見分けがつくようになった。現在はアナリストが会社を訪問するのは当たり前だが、デービスはその草分けである。


倹約に励むことによって、デービスは最高のリターンを求めて投資するための資金を最大限に確保したのである。彼は家計における余計な支出を認めないのと同じように、企業についても過剰支出を嫌い、経営者が投資家の金を自分の家族の金と同じくらい大切にする企業の株を買う傾向があった。


投資というのは、”人を見ること”だと言うことがよくわかります。
投資は、”数字”だけを見てするもんじゃないんです...

”人”が会社を経営するわけですし、”人”が一生懸命仕事をするんです。

それに、よく投資信託の信託報酬が議論の的(まと)になりますが、それ以前に会社のお金が有効活用されているかどうかが大問題でしょう?

要は、舛添都知事の問題のようなことですよ...

会社の場合だと、無駄な交際費やモノになりそうにない研究開発費をいかに使わないかを見ないといけない...

それには、実際に会社訪問をして、経営者のポリシーや姿勢を聞かないとわからないんです...

それにしても、今のアナリストの企業訪問の起源は、デービス一族の投資行動にあったんですね...

勉強になります...

そして、この父の手法を、子のシェルビー・ジュニアや孫のクリスも受け継ぎます。

父と同様、シェルビーも歴史を勉強する傍ら、会計学の基礎や貸借対照表の読み方、証券会社のイロハを学んだ。彼もまた父と同じくスプレッドシート上の数字よりも経営者のリーダーシップという目に見えない資産を重視した。統計を重視しすぎて「木を見て、森を見ず」にならないよう心掛けた。


「どんな会社も優秀な経営陣が成功の重要な要素であることはウォール街の常識ですが、大半のアナリストは最新の数字を議論することを好み、この点については触れません。しかし、われわれは投資をする際必ず、経営陣について十分検証します」とクリスは言った。


以上のような投資姿勢を我々現在の投資家もみならうべきです...

もちろん、会社訪問をするのはナンセンスです...
そんなことをすると、時間もコストもかかります...

しかし、ネットで会社ホームページ上の経営者の経営方針を調べたり、有価証券報告書や決算短信の記述にある経営方針を調べたりはできる...

また、株主総会の開催場所に近い所に住んでいる人は、行って耳を澄ませて聞いてみてもいい...

あるいは製造業であれば、無料または安価な”工場見学”に行くという手もあります...

できることは色々とあるわけです...

大事なことは、”人”を見て投資をすること。

もちろん、インデックス投資ではなく、個別株投資でそれをすることです。

インデックス投信に勝つアクティブ投信は極めて少ないなんて言っても、それは、アクティブ投信のほとんどが数字を見て投資しがちだからですよ。

個別株投資って言っても、そんなに難しいことではない...

見るべきは、経営者であり、工場で働く人であり、誠実な研究者であり、優秀でやる気のある営業マンがいるかなんです...


さらに明日へと続きます...





P.S.
投資はあくまでも自己責任でお願いします。
上記に書いたことは単なるいち見解に過ぎません...




posted by スイス鉄道のように at 07:00| 東京 🌁| Comment(0) | 投資情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月12日

ウォーレン・バフェットに次ぐ投資家とは?

『デービス王朝』という本を読みました。

デービス王朝 知られざる偉大な投資家一族 (ウィザードブックシリーズ) -
デービス王朝 知られざる偉大な投資家一族 (ウィザードブックシリーズ) -

2003年に日本語訳が出た少し古い本なんですが、デービス家の3代に渡る投資家としての歩みを伝記風に記した作品です...

1909年生まれのシェルビー・デービスから始まって、1937年生まれのシェルビー・ジュニア、3代目で1960年代生まれのクリスとアンドリュー...

彼らがアメリカの株式市場・債券市場でいかに戦い、いかに富を築いてきたかが記されています。

しかし、何か特別な才能があったわけではありません。

初代デービスは、最初はニューヨーク州の公務員でした。

しかし、37歳で思い切って役所を辞めてしまいます。

そして、株式投資の世界一本で食っていこうとし、最終的には成功するのです。

著書からいくつか引用してみましょう。

まずは、訳者あとがきから...

読み進むうちに「普通のオヤジ」が株式投資で大成功を収める話と分かり、急に親近感がわいてきた。この本の主人公、デービスが投資の世界に足を踏み入れたのは三八歳になってからである。


ポイントは、著者が「世界で二番目に偉大な株式投資家」と呼ぶデービスの実践的な投資術を学べるところである。ほとんど保険株への投資だけで五万ドルの元手を九億ドルにまで一万八〇〇〇倍に増やした実績は、あのウォーレン・バフェットに迫るものである。


元手資金を18,000倍に増やしたというものスゴければ、それを上回っているバフェットもスゴいです...

引用を続けましょう...

フォーブス誌の話が出たことで、わたしは同誌の長者番付にはいわゆる「株式投資家」は登場しないことに気付いた。シリコンバレーの奇才、企業買収家、不動産開発業者、発明家、小売会社や製造業のオーナー、メディアの大物、石油王、銀行家など同リストの常連の中で、他人の会社の株に投資することによってそこに名を連ねたのは、彼以外ではあと一人しか知らない―ウォーレン・バフェットである。


わたしはシェルビーに、彼の父親とバフェットは面識があったか尋ねた。「何度か会っています。二人は知り合いで、共通点がたくさんありました」。


デービスとバフェットは一〇ケタの財産を築いたが、いずれもバリュー投資を信条とし、割安に放置された成長株を買った。


デービスが株式投資を始めたのは、それ以上ない最高の時期だった。大衆は株に愛想を尽かし、株はもう下がりようがなく、上がるしかなかったからだ。


突然止まる急成長株とのろのろ進む割安株の中間に、着実な利益成長を妥当な値段で提供する株がある。一般にホットな業界には妥当な価格の銘柄は存在しないので、中間点投資はその信奉者を自ずとインターネットのような奇抜で危険な領域から遠ざける。デービス家が得意とするのは、この中間点投資である。


デービス家の人たちは流行りの株には手を出しません...

また、相場が熱を帯びている場合も投資を手控えます...

そして、相場が下がってくると、また手を出すんです...

市場はデービス家が安心して買えるゾーンにまた近づいてきた。企業を利益の一五倍以下で買え、過去の平均的な利益成長(年七〜一五%)に投資することで儲かる環境である。


始めた時期に恵まれたこともあるのでしょうが、彼らは「安い時に個別株を厳選して買う」というスタンスで富を築いてきたと言います。

では、その厳選のし方は、いったいどういうものなのでしょうか?...

今日、上に引用したものからも考え方の一端はうかがわれますが、さらにより詳しく具体的に言うと、どういう方法で彼らは成功したのでしょうか?...

明日に続きます...






posted by スイス鉄道のように at 07:00| 東京 🌁| Comment(0) | 投資情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

にほんブログ村