2020年08月04日

法律系マンガ『カバチタレ3』第28巻を読みました

マンガ『カバチタレ3』第28巻を読みました。

このブログでも過去に何回か取り上げているリーガル系の漫画です。

カバチ!!! −カバチタレ!3−(28) (モーニングコミックス) - 田島隆, 東風孝広
カバチ!!! −カバチタレ!3−(28) (モーニングコミックス) - 田島隆, 東風孝広

この漫画シリーズの良きところは、1巻ごとに物語が完結してくれることです。続きを心配する必要がないのがありがたい...

今回の事件は、ふざけた大学生がアルバイト先の引っ越し業者の作業のなかで引っ越し者のプライバシーをスマホで撮影してそれをアップロードしたこと。

それで炎上して、各所に迷惑をかけ、引っ越し業者の顧問である行政書士が問題の解決に乗り出すというストーリーです。

法律上は因果関係の証明が難しく、加害者(大学生アルバイトたち)を訴えるどころか、警察もまともに取り上げない始末...

そんな中、行政書士たちは、大学側に訴えるという線で話しをまとめていきます。

結果、やっぱり、”正義は勝つ”ということで落着。

教訓としては、過ちを犯す側からの視点としては、「法律に触れないから大丈夫」ないし「法律では裁くのが難しいから大丈夫だ」などと思ってはならないということ。

所属する組織のルールや組織の利益を守るという観点から、組織内規約によって裁かれる恐れがあるということ。

被害者側の視点としては、法的に訴えることはできない、ないし、困難であっても、ある程度の確証をもって加害者が属する組織の責任者へ話をもっていけば、民事的な交渉によって有利に問題が解決する可能性があること。

この2点でしょうか、第28巻が語ることとしては...

電子書籍化されていますし、お家のなかで読むリーガル系のエンターテインメントとしてすぐれものです。

おススメの一冊でございます。






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2020年07月22日

テリー伊藤著『お笑い大蔵省極秘情報』を読んで...

テリー伊藤著『お笑い大蔵省極秘情報』を読みました。

タレントのテリー伊藤氏が、財務省がまだ「大蔵省」と呼ばれていた1996年に書いた本です。

お笑い大蔵省極秘情報 - テリー伊藤
お笑い大蔵省極秘情報 - テリー伊藤

当時、大ベストセラーになったそうですが、その評判通りに面白い!

読んでタメになることもたくさん書いてあり、今まで読んでなかったのが残念に思う名著でした。

百聞は一見に如かず、いや一読に如かずなので、例によっていくつか興味深い箇所を引用してみますね。

大蔵 われわれは突然エイリアンとして出てきたわけじゃない。まず下に国民があって、その上に政治家がいて、その上に大蔵官僚がいる。
テリー いや、だって、日本の憲法だと、国民の投票によって選ばれた国会議員が立法府として立場的には上のはずでしょう。
大蔵 それは建て前。すべて建て前です。


大蔵 大蔵省の主計局の人間というのは、大蔵省のことだけじゃなくて、主査として、あるいは主査のまわりにいるスタッフとして、防衛庁担当なら、例えば、90式戦車の砲身の長さが何ミリで、大砲はどれくらいの威力で、ロシアにとってはどれくらいの脅威か、そこまで全部知ってる。


大蔵 日本の社会にとっては、とにかく予算をぶんどってくれる代議士、というのが大事なんですよ。天下国家を多少なりとも言えるのは東京ぐらいであって、地方では予算を取ってくれる人間がすべて。予算を出すのは誰ですか。大蔵省だけですよ。だから大蔵省に嫌われる代議士は、絶対選挙で勝てない。100パーセント勝てないといってもいい、東京以外では。東京だけは浮動票で勝てるけれども。


テリー 住専も考えてみれば国民の責任だというんですか!
大蔵 国民の責任そのものですよ。だって総量規制で住専だけ外してくれというのは、住専からローンを受けたい人がまだいっぱいいたからですよ。総量規制しちゃって、銀行からは金が出ません。ところが家は建てたい。


大蔵 怖い相手のいない最大の理由は、大蔵省が日本最大の情報機関だということなんです。


財務省(旧・大蔵省)が確定申告や税務調査権によって、いかに国民の生活の実態面を把握しているとともに、防衛省はじめ他官庁の予算を詳しく綿密にも把握することで国家運営の実態までもすみずみまで知っている...

それを東大法学部のトップクラスの秀才たちが把握している...

だから政治家たちは彼らに歯が立たないということが如実に記されておりました。

その他、小沢一郎氏の持つコンプレックスや氏の官僚との接し方の実態なども暴露されていました。小沢氏があるときから権威を失ったのは、この本のせいかもとも思いました。

日米間のカネのやりとりにまつわるブラックっぽい話しなんかもありました。

日弁連やマスコミさえも財務省にしっぽを握られているとも...

これは全日本国民にとって必読の書ですね、20年以上たった今でも有用な情報がたくさん載っています。

おススメの一冊でございます。







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2020年07月10日

八木久美子著『慈悲深き神の食卓』を読んで...

八木久美子著『慈悲深き神の食卓』を読みました。

著者は東京外国語大学卒でアラビア語を専攻された方です。また、ハーバード大学に留学したり、東大大学院も出ておられ、現在は母校の東京外大で教授をされておられます。

慈悲深き神の食卓 - イスラムを「食」からみる - (Pieria Books) - 八木久美子
慈悲深き神の食卓 - イスラムを「食」からみる - (Pieria Books) - 八木久美子

著者はエジプトを何度も訪れていて、そのエジプトの食生活を中心にイスラム文化や価値観を論じておられます。

食生活の紹介というよりは、文化論という感じの内容でした。学ぶことも多かったです。

例によって印象に残った箇所を引用したいと思います。

さまざまな宗教を分類する際、何を信じるかを最優先し、教義の正しい理解を重くみるオーソドクシィの宗教と、何をなすか、どのように振る舞うかを厳しく問うオーソプラクシィの宗教という二つに分けることがあるが、イスラムはユダヤ教と並んで、後者の代表として挙げられることが多い。


イスラム法解釈の世界では、一つの行為について、それが神からどうみえるかという観点から吟味し、義務(wajib)、推奨(mustahabb)、中立・許容(mubah)、忌避(makruh)、そして禁止(haram)という五つの範疇に分類する。義務と禁止だけでなく、推奨、忌避、そして中立・許容という範疇があることに注目してほしい。


社会における最低限の約束事を定めようという実定法の考え方とは大きく異なり、イスラム法が目指すのは、神の意志に沿った生き方を探し出すことであることを考えれば納得がいくだろう。


イスラムは精神的な救いや来世での救済だけを説くのではなく、現世において人々がより良く生きること、そしてこの地上において正義が実現されることを求める宗教である。


こういうレベルの高い文章が随所にあり、読むたびに私は「うんうん」とうなづきながら読みました。

”イスラム教”というと、どちらかというと特殊で取っつきにくい宗教・文化・価値観というのが一般の日本人の感覚だと思いますが、そうではなく、そうした偏見や先入観を誰にとっても理解しやすい「食」という観点からわかりやすく説いてくれてるのがこの本だと言えましょう。

イスラム教徒として生きる決心をするなら、自分探しの旅も必要なくなれば、世の中で起こる諸現象についても何が正義かを容易に判断できるともいえます。

自由すぎる現在の日本社会の問題点があらためてあぶり出される気もしました。

読みやすくかつ面白い、おススメの一冊だと思います。






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